いのちをいただく⑥

⑤から続きます
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ある学校で、保護者の一人から、
「給食費を払っているのに、 『いただきます』と 子どもに言わせるのはおかしい」

というクレームがあった、との話を聞いたことがあります。

「なんという常識のない保護者なんだ!」
と片付けるのは簡単です。

でも、もしもこの保護者が、この話を知っていたとしたら、どうだったでしょう?

現在の食生活は、「命をいただく」というイメージからずいぶん遠くなってきています。

そしてその結果、食べ物が粗末に扱われて、日本での一年間の食べ残し食品は、発展途上国での、何と3300万人分の年間食料に相当するといいます。

私たちは奪われた命の意味も深く考えることなく、毎日の食事と向き合っています。

動物は、みんな自分の食べ物を自分で獲って生きているのに、
人間だけが、自分で直接手を汚すこともなく、坂本さんのような方々の思いも知らないまま、毎日の食事を食べています。

動物だろうが植物だろうが、どんな生き物であっても、自分の命の限り精いっぱい生き続けたい、そう願って生きているんだと私は思います。

命をいただくことに対しての「思い」。

お肉を食べて
「あ~、美味しい。ありがとう」
お野菜を食べて
「あ~、美味しい。ありがとう」

そこに生まれる思いはどんな思いでしょう?

お肉を食べて
「うぇ~、マズッ!」
お野菜を食べて
「うぇ~、マズッ!」

そこに生まれる思いはどんな思いでしょう?

食べ物をいただくとき、そこに尊い命があったことを忘れずに、その命を敬い、
感謝の言葉をかけてあげられる人に育ちましょう。

今日もまた、食べられることへの感謝の言葉、

「ありがとうございます。 感謝します。 いただきます」

食べているときの
「美味しい!」という言葉。

そして食べ終わった後の、

「あ~、美味しかった。 ありがとうございます。 ご馳走さまでした」

という「食べられたこと」への感謝の言葉をかけてあげましょう。

もちろん、食べ残しをせずに。

食べ物が、あなたの体を作ります。

あなたの体に姿を変えて、あなたの中で生き続けます。

そして、体の中からあなたを精いっぱい応援してくれています。

あなたができる最高の恩返しは、たくさんの生き物たちから命のバトンを託されたあなたの命を、いっぱいに輝かせること。

喜びに満ちた人生を過ごすこと。

それが、あなたと共に生きているたくさんの命たちが、いちばん喜ぶことなんです。
みんなの分まで、命いっぱいに輝きましょう。

…これが、私が教師として、プロとして、
目の前にいる子どもたちやその保護者に伝え続けていきたいメッセージです。